ここでは、機種変更で契約したり、スマホのデータを移したりするまでに確認しておきたいこと、やっておきたいことについてまとめます。
事前準備なくいきなり機種変更をしてしまうと、これまで使っていたサービスが使えなくなったり、データを引き継げなくなったりする場合があるので、注意が必要です。
まずは、機種変更を決めてからデータを移行するまでの全体の流れを確認しておきましょう。
なお、まだどんなサービスや機種を選んだらいいかを迷っている場合は、「自分にぴったりなAndroidスマホの選び方」を参考にしてください。
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
なお、ここでは「機種やサービスの契約」、「機種変更の手続き」についての説明は割愛します。
スマホの契約では、「2年契約」、ドコモの「スマホスマホおかえしプログラム」(契約期間:3年)やauの「かえトクプログラム」(契約期間:4年)、ソフトバンクの「新トクするサポート」(契約期間:4年)など、契約期間を定めることで月々の支払いを抑えられるサービスがあります。
このサービスを利用している場合、契約期間内に通信事業者を変えて機種変更を行うと解約金がかかります。
また、通信事業者を変えない場合でも料金に前のスマホ代の残金が上乗せされるので、月々の支払いが高くなります。
こうした予定外の出費がかからないように、あらかじめ契約期間の確認をしておきましょう。
なお、2019年10月に施行の改正電気通信事業法によって、2年契約などの途中解約で発生した違約金(解約金)が、これまでの9500円から1000円を上限とすることが決まりました。
これによって途中解約のハードルは低くなりましたが、端末代金を割賦にしている場合は二重に支払いが発生することがあるので、やはり契約期間には注意しましょう。
現在使用しているスマホの通信事業者を変える場合、MNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)というしくみを利用すると、電話番号を変更せずに機種変更を行うことができます。
ただし、通信事業者が提供するキャリアメール(@docomo.ne.jpやezweb.ne.jpなど)は基本的に引き継ぎできません。
ただし、2021年12月より順次、各社から機種変更前のキャリアメールのメールアドレスをMNP以降も使用できる、キャリアメールの持ち運びサービスが提供されています。それぞれ各社のWebサイトから申し込みができます。
サービス | 価格 |
---|---|
ドコモメール持ち運び(NTTドコモ) | 330円/月(税込み) |
auメール持ち運び(KDDI) | 330円/月(税込み) |
メールアドレス持ち運び(ソフトバンク) | 330円/月(税込み)(1メールアドレスごと) ※ |
2021年3月にNTTドコモ、ソフトバンク、au(KDDI)の3キャリアが、オンライン専用の格安通信プランを発表しました。
手続きをオンラインのみに特化することで通信料を月額3000円程度に大幅に下げているのが特徴です。
キャリア | サービス名 | 内容 |
---|---|---|
NTTドコモ | ahamo(アハモ) | 月額2970円(税込)。1回5分まで通話料無料。国際ローミング(82カ国)が20GBまで無料 等 |
ソフトバンク | LINEMO(ラインモ) | 月額2728円(税込)。+500円で1回5分まで通話し放題。「LINE」での通信し放題 等 ※ |
au(KDDI) | Povo2.0(ポヴォ) | 基本料金0円、国内通話は22円/30秒(税込)、国内SMS送信は3.3円/通(70字まで)。たとえば、データトッピングで20GB/30日間まで2970円(税込)など。 |
キャリアを乗り換えるわけではないのでMNPではありませんが、キャリアを変えずにこの格安プランに乗り換える場合も、いくつか注意が必要です。
まず、それまで使用していたキャリアメールは使えなくなります(持ち運びサービスを契約することで使用可能)。
それから、サービスによっては家族割の対象外になったり留守番電話サービスなども利用できなくなります。
利用を続けたいサービスが格安サービスでも可能なのか、あらかじめ確認しておきましょう。
また、現在使用しているスマホが格安プランで使用できない可能性もあります。
さらに、手続きはオンラインのみなので、店舗でのサポートは受けられないことも重要です(有料サポートを用意しているところもあります)。
MNPでなくともかなり条件が異なる部分がありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
なお、格安SIMや格安スマホについては、「SIMフリースマホ・デュアルSIMの使い方」で詳しく解説しています。参考にしてください。
ケータイ時代から続くSuicaやnanacoなどの「おサイフケータイ」に加え、近年はGoogle Pay やApple Pay、paypayなど新たな決済サービスがたくさん登場しています。
また、買い物したときのポイント付与や管理も、各サービスのカードからスマホのアプリに変わってきています。
スマホをかざすだけで電車に乗れたり、買い物ができたり、ポイントを管理できたりするので便利ですが、事前に引き継ぎの手続きを行わないと機種変更後に利用できなくなるものがあるので、注意しましょう。
とくにモバイルSuicaに代表されるおサイフケータイは、スマホ本体のICチップにお金やポイントなどの情報が記録されているので、必ず機種変更前に手続きを行ってください。
また、スマホに登録している情報を削除してからでないと新しいスマホにデータを引き継げないサービスもあります。
引き継ぎ方法は、利用しているサービスによって異なるので、機種変更前に公式サイトで確認してください。
なお、Apple PayはAndroidスマホでは使用できません。
たとえばApple Payで使っていたモバイルSuicaは一度退会が必要なので、残額は使うか払戻ししておく必要があります。
サービス | 機種変更時の手続き |
---|---|
おサイフケータイ (モバイルSuica、モバイルパスモ、モバイルICOCA) |
旧端末で情報をクラウド上に預けて、新端末で受け取る。 |
paypay | 旧端末と同じ携帯電話番号とパスワードでログインする。 |
LINE Pay | LINEのアカウントの引き継ぎと同時に引き継ぎができる。 |
d払い、au PAY | 新端末にアプリをインストールして、各サービスのIDとパワードでログインする。 |
楽天ペイ | 旧端末で情報をクラウド上に預けて、新端末で受け取る。 |
Google Pay | クレジットカード情報は引き継げないので、旧端末で情報を削除して、新端末で改めて登録する。 |
nanaco | 旧端末で引き継ぎ番号を取得して、新端末にアプリをインストール後、引き継ぎ番号を入力する。 |
オンラインゲームやLINEを使用している場合は、あらかじめデータの引き継ぎを必ず行っておきましょう。
引き継ぎの設定を忘れると、最悪、機種変更前に貯めていたポイントや友だちリストなどの情報が使えなくなります。
LINEの引き継ぎについては、「Androidスマホからのデータ移行」「iPhoneからAndroidスマホへのデータ移行」のLINEの引き継ぎの項を参照してください。
ゲームの引き継ぎの方法についてはゲームごとに異なりますので、各ゲームの公式サイトで確認してください。
機種変更する前に、現在使用しているスマホ内に保存されている連絡先データのバックアップをとっておきましょう。
バックアップの方法は複数あり、通信環境によって異なります。
具体的な方法については「Androidスマホからのデータ移行」「iPhoneからAndroidスマホへのデータ移行」を参照してください。
また、データを内部ストレージ(内部メモリー)に保存するアプリを使用している場合は、SDカードやクラウドへのバックアップを忘れないようにしましょう。
たとえば、スマホのカメラで撮影した写真は、スマホの内部ストレージに保存されています。
なお、スマートフォンAQUOSには、スマホ内のデータをまとめて移すことができる「かんたんデータコピー」ツールが用意されています。
詳しくはこちらをご覧ください。
無事に新しいスマホに機種変更できたら、古いスマホはどうしますか。
機種変更時に端末を返却するアップグレードプログラムなどを利用していない場合、古いスマホの扱いは、おおむね次の3つになるでしょう。
SIMが入っていなくても、Wi-Fi環境があれば使用できますし、SIMロックを解除してSIMフリー端末として、MVNOの格安SIMで使う方法もあります(SIMフリースマホについては、こちらで詳しく紹介しています)。
こうした場合は、とくに問題はないですが、自分以外の人に渡す、売るなどの場合は、個人情報を消すために「初期化」を忘れないようにしましょう。
初期化は、「設定」→「システム」や「バックアップとリセット」などから行えます。
なお、機種変更時に古いスマホは返却する場合も、初期化は必須です。